「概説日本思想史」ミネルヴァ書房

古事記や日本書紀の時代から始める日本の思想史をそれぞれの時代で客観的に解説した本。

ぱっと見、高校の教科書っぽい表紙なのですが、内容は大学の「日本思想史」というゼミの参考書籍っぽい感じ。

一般教養としての日本の思想の変化をそれぞれの時代の宗教観や政治形態を交えて社会的な視点から「日本の思想」の形えをざっと知ることができる。

「日本的な思想」とは何なのか?日本人なら当然というような思想や考え方というものは、実は結構多様性があって一筋縄にはいかないのだなということがなんとなくわかる。

仏教的であったり国学であったり、尊皇攘夷とか、時代時代の考え方や思想について、自分がほとんど知ってないということに、このままではいかんなぁと反省してしまうのだ。

時代が大きく変わろうとしているときに、その流れがどう向かっているのか、濁流の中では自分がどこに向かっているのかわからない。

わからないからこそ、その濁流から一度抜け出て、離れた岸辺からその流れを観察することを大切にしたいと思う。

できるだけ遠いところから、その流れ全体を見渡せるよう時間や空間のレンジを広げて観察する姿勢を忘れないようにしたい。

同じように世界の価値観や目標、方向性も大きく変わろうとしている。

だからこそ学術的な本をたくさん出してるミネルヴァ書房さんはかっこいい出版社だと思うのだ。

 

この本は3200円とちょっと高いけど、字も小さくて新書よりも読み応えがあるのでコスパはいいと思います。

 

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