パッキン工事 下から見るか 横から見るか

水回りの修繕工事で高額請求があいついでいます。というようなニュースや報道がワイドショーを賑わせていたようですね。

うちの会社にもたまに一般の方が

「水栓の水が漏れている」

「トイレの水がとまらない」

「トイレが溢れてしまったのでなんとかしてほしい」

といらっしゃるのですが、金子商会は材料屋なので、自社工事はいっさい行いません、どうしてなのかというと、

まず「水道工事」ですが原則として「水道工事は指定された事業者じゃないとやってはいけません」という水道法のきまりがあるのです。

ですからそういうお客さんがいらっしゃったときは、弊社と取引があり、かつ、できるだけ現場に近い業社さんを紹介することにしています。

まぁ、そんな感じで金子商会のことを知っている人は、とりあえず悪徳業者にはひっかかりにくいのではないかと思います。

 

で、お客様が悪徳業社にハマってしまうのを防ぐために、地域の水道屋さんや、うちのような水道資材店、あるいは水道業界に所属する者はどうすればいいのでしょうか?

まずは、自分のしている仕事について地域の方によく知ってもらうこと。

それから建築業者としっかり連携してお施主さんとのパイプを強く太くしておくこと。

価格については、出張料・交通費・技術料・工賃を事前に設定し情報を見えるようにしておくこと。

建築工務店・ハウスビルダーであるならば、引き渡す際に給水排水の配管図面をお施主様に渡しておくこと。

水道設備店さんであれば、引き渡す際にお施主様に「なにか水回りのことで困るようなことがありましたら連絡ください」と伝えておくこと。

パッキンの取り換えだけで5000円くらいかかることもあることを説明できるようになっておくこと。
出張交通費、技術料などは、遠慮しないで請求するようにしましょう。

昭和の時代はケレップ1個交換して料金は缶コーヒーでいいよ、サービスにしておきますよということもありましたし、今でもパッキン取り替えて10分くらいだったら無料でいいです、というような業者さんもいらっしゃいます。

が、

それは、ご近所つながりがあって、お客さんと水道屋さんの信頼関係構築費というものに含まれていた時代だったのだと思います。

今から40年まえは便器などの衛生器具も定価取付が普通でしたし、今とは施工方法も違っていたのでできたのだと思います。

まちの住人が困ったときに、思い浮かぶのが二丁目かどの田中水道工務店さんだけしかいなかった時代は、田中さんはご近所のお知り合いであり持ちつ持たれつの仲であり、もしかしたら友達だったりしていたので、

「お金なんていらねーよ」と言ってれば年末に瓶ビール1ダースになって返って来ていたりした時代の出来事だったのです。

でも、今はそういうつながりを持っている工務店さんはどちらかといえば少数派なわけです。

ですから、例えば、あなたの会社では、顧客リストが300件以上あって、定期的にニュースレターや挨拶状を送ったりしつつ、展示会を開催すれば常に100人以上の人が必ず集まるような仕組みができているなら、ケレップ取り換えは無料でも問題ないと思います。

でもそうでない、そういう仕組やつながりを持っていない水道設備店さんは、そういう戦略は難しいと思います。

ですから、ハウスメーカーの新築現場の下請中心の設備業者さんは、引き渡しのときに「何かあったら当社に直接連絡してくだい」と、お施主さんに伝えておくのも手ですし(大人の事情でそれはダメ建設会社を通すことみたいなところもあるかもしれませんが)
修理はめんどくさいしお金にならない、といって断る設備店さんもいますので、それなら修理に動ける人とのパイプも持っておくべきです。

また建築工務店さんも水工店さんを下請けに使っているからといって、タダで修理に行かせるようなことはやめたほうがいいし、水工店さんも、元受け工務店にちゃんと工賃の請求はしましょう。

建築工務店であれば、水漏れや困りごとがあったときなどに動きが早く手間がかからないことは、魅力的な外注要素でもあります。
むしろ協力会社として「クレーム時にすぐに動いてくれる」「なんとかしてくれる」水道設備店というのは元請工務店にとってはかなりな魅力になります。

それから料金(工賃・技術料・交通費・実費部品代)修繕内容(ケレップの取り換え)などをタグ付けして投稿するようにしましょう。

技術料や工賃というのは、自社が生み出す立派な価値です。

10分で水漏れを直したとしても、そのために必要な工具、移動時間、それが10分でできるようになるまでに積み重ねた経験の数々、適切な資材の選定などなど、お客様がなっとくできる料金であればしっかり請求しましょう。

元請業者もメンテナンス料は契約して金額を決めておきましょう。

初期不良や施工不良については問題外ですが、追加工事や実費・手間が発生する現場についてはその手間代を支払うようにしなければいけないし、

水道工事店さんも請求するようにしましょう。

ハウスビルダーの下請けをしている水道設備店さんは、新築引き渡しのとき、お施主さんにとっての頼れるメンテナンス依頼先になっておきましょう。

そして、少なくとも自社の半径4キロメートル内の住民の方と、「水回りのこまりごと」があればすぐに相談してもらえるような信頼関係を作っておきましょう。

そのためにはなにが必要なのか、情報発信ですよ、PR(パブリックリレーションズ)ですよ。

そのためのツイッターでありインスタグラムなわけです。

ツイッターやインスタのアカウントで修繕現場のビフォアーアフターをつぶやくときに、地域名「下関市川中本町」とか「伊倉新町」とか「綾羅木南町」いれるようにする。

お客様の感想も聞いて投稿する。

そうすると次第にそういうデータが集合知となって落ち着くところに落ち着きます。

地域に根を張った後ろめたさも後悔もない、適切な請求金額っていうものが、肌感覚でつかめるようになるはずです。

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