「倍の値段で買うから在庫全部くれ」って言われたらどうする?

コロナとか戦争とかの影響で物流が乱れたり品不足が起きたりで、いろいろなところで「ものが入ってこない」だの「納期に3ヶ月」だのという声が聞こえてきます。
聞こえてくるというよりも、実際に、ないという話ですよ。
今や世界はさまざまに足らこちらに繋がっている、繋がっているというよりも絡み合っているというほうがふさわしいかもしれません。
ほどこうにもほどくことはできないし、どことどこが絡まっているのかよくわからない、「世界はからまっている」というのが実感できる今日このごろです。

こういうときにどうすればいいのかというと、備蓄したり個人的に多めに注文をしたり在庫をしたりするのが、戦略としては正しいのだろうと思いますが、

例えば当社の在庫としては、

それなりに十分在庫しています。
けれども、なくなったときはごめんなさい。
でも在庫切れしないようには努力しますね。
そりゃもう精一杯努力しますとも。
けれども、そんときはそんときですよ。

というくらいのゆるいテンションで行くのがいいかなと思ってます。

「絶対に在庫切れしませんよ!」
「おまたせなんかしませんとも!」
「1年分、倉庫に山積みしてますから安心して下さい!」
ふんがー
「自社と自社のお客様さえ良ければいいのです。ほかは知ったこっちゃありません。こういうのは自助努力です。準備を怠ったおまんらが悪いんぜよ。」
ふんっふんっ!
というような肉食系というか資本主義的商習慣に従えばきっと100%正しいであろう戦略は「合成の誤謬」っていうやつに姿を変えてしまいやすいというか変えてしまうわけで、

「市場から〇〇が消えた!」というのはその多くは「◯◯がなくなるといけないから多めに買っておこう」という消費者の行動が引き起こしているのだと思うのですよ。

「弊社はこれだけ物品を3年分キープしてます!」オラオラー

それはまぁ、確かに頼りになるし、訴求力にもなるのかもしれないけれども、その訴求力や付加価値(?)を利用することが、新規開拓とか、集客志向に向かうようなPR効果として機能してしまうと、あとあと自分のブランド価値を毀損してしまうのではないかという気がするのだ。

というか、常日頃からの余裕とか備蓄とか在庫とかはBCPに織り込んでおいて、なにかあったから慌てて在庫補充をするとかではなく、
「すごい在庫ですねー集めたの苦労されたでしょう?」
なんてことを言われたら、
「いやーうちはこの10年くらいはずっとこのくらい常に在庫してますよ。
なんていうんですか、何が起きるかわかんない時代じゃないですか。
インシデントに合わせて対応変えるんじゃ遅すぎると思ってますよ。」
みたいな感じで。
「多分、東南海地震と◯◯問題と〇〇危機と〇〇革命が同時に来ても、なんとかなるようにしとりますよ~。
お金とか経費とかもちろんたくさん必要ですけれども、こういう用心にお金を掛けるのも企業努力なんじゃないですかね~。」

みたいなことを言える経営者になるべく頑張りたいと思います。

で、

「倍の値段で買うから在庫全部くれ」って言われたらどうする?

っということの回答ですが、そういう言い方をする人は、弊社のお客様にはいないと思うので、全部売ることはないですね。

通常価格で、例えば一人三個だとか、他のお客様が困らないように出荷数も調整すると思います。

今必要な個数を確認して、できる限り市場をコントロールできるような姿勢を貫くのも、微力ながら弊社のような卸売業を営む者の機能というか使命なんではないかなーと考えています。

複雑に絡まった結び目を
なんとかほどいていこうと思うなら
力をゆるめて
ほにゃらかにやっていくのもいいんではないかな

「そんなので生き残れるか!」とか怒られそうですけれど、緩やかに軽やかにやっていきたいのですよ。

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