NFTという「権利者にお金が振り込まれ続ける」仕組み

NFT、なんだかここに来て話題になっていますよね。

NFT(Non-Fungible Token)とは一般に「ブロックチェーン上で発行される代替可能性のないデジタルトークン」をいうものとされていますが、本資料では、便宜上、NFTに関連づけられる画像や映像、それらが流通する市場等を含めて「NFT」と総称することがあります
というような説明が多いのだけれども、それってどういうこと??よく意味がわかんない、という方も多いと思いますし、自分もよくわかっているわけではありません。

僕が1998年に書いた「Net著作権宣言」という青臭いテキストが残っているのだけれど、その運用をするための仕組みなんだろうなというふうに解釈しています。

NFTというのは、要するにバージョン0の権利を持っている人間に、著作権バージョンが変更されたり受け渡しや売買があるたびに、なんらかの報酬が支払われる仕組みなんだろうなーと解釈するとわかりやすいのではないかなと思います。

リンク先の文章を書いた98年はネットも始まったばかりだったので、暗号資産とかそういう概念はなかったんですよ。
だから権利者に報酬が振り込まれたりとか、なんらかの手数料が介在するような仕組みがあればいいのになーなんてことも考えたりしていました。
で、「著作権フリー」がなんとなくかっこよかったし、当時のネットはフリーとかクリエイティブ・コモンズとかパブリックドメインとかがカッコよかったので収益を得るとか、情報を売買するというのは、ネット的にちょっと違うというかかっこ悪いのではないだろうか、なんてことも考えたりしていました。

で結局NFTというのは、なんらかのデジタルデータ、例えば画像にくっついている、「この画像は金子義亮の所有物であります」という「証明書」なんですよ。(たぶん、証明書というか取引元帳みたいなものかもしれない)
Neco
そんでもって、その情報はブロックチェーン技術によって第三者による記録の改ざんが出来ないようになっているわけです。

電子データそのもの、つまり、このgif画像は、複製も可能だし加工もできちゃうし、なにか動画に取り込んだりすることも出来ますし、自由に売買することも、もちろんできます。

ただ、NFTという「証明書」もくっついているので、許諾を得たり、売買されたり、複製されたりするたびに、その情報が「証明書(トークン)」に書き加えられていくわけですよ。

例えば、2023年にこのgif画像が100万円で売買されたとします。
その情報がトークンに書き込まれて、それによって権利を所有している金子義亮は、その時に
「1%の手数料を得ることができる」とかなるわけですよ。
次に、2024年に10人にコピー配布した際に5000円ずつ契約金をもらったから、そのうちの3割にあたる1500円が10人から振り込まれて15000円儲かるとか、なんらかの代金の授与があったとき「トークンに紐づけされた口座にお金が振り込まれる」
というようなことになるわけです。

つまりNFT取引で「1000万円の価格がついた!」みたいなときは、
その権利を買い取ったのであり、未来永劫入ってくるであろう手数料収入のようなものが、期待値となって価格に反映される。

というのが、自分の理解しているとこです。

ただねぇ・・・、

実際のところ現実的に、そういう機能は実装されているのかっていうと、まだないです。(あるのかもしれんけど、いまのところ知らないです)

プロトコルや共通するルールもないですし、ビットコインと紐づけされているのかっていうと微妙なところだし、保証の担保も、法的にも、技術的にもモヤっとしていますし、仮想通貨をまたいでもその権利の移転は問題なく行うことができるのか?とかね、こえるべきハードルが多いのだろうなと思います。

 

個人的には、
1.「権利はフリーなんだけれども、なんかするたびに、開発者に一定の報酬が支払われる仕組み」

2.「その仕組を売買するためにつくられた技術(仕組み)がNFT」

3.「一定の報酬が支払われる仕組みそのものはまだ実装されていない」
ということなので、
3の「報酬が支払われる仕組み」を頑張って構築してもらえるともっと盛り上がるのではないかなぁと考えています。

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