トランプ大統領を諌めることができるのか?

I will not hesitate to use nuclear weapons against Iran.
If they attack as they are doing now, I will detonate them over their heads without hesitation.

もしもこんなことをトランプ大統領が言ったりしたら、日本政府は迷わず彼を諌めることができるのだろうか?

日本政府がそれをするための根拠は、次の三つがありそう。

  • 憲法上の立場
    日本国憲法前文と9条は、武力行使の抑制と平和的解決を日本の基本原則として定めている。核兵器による先制攻撃や威嚇は、この理念と明らかに矛盾している。

  • 国際法・条約上の立場
    日本は核兵器禁止条約には参加していないものの、NPT(核不拡散条約)の非核兵器国であり、「唯一の戦争被爆国」として核軍縮・不拡散を訴える立場を一貫して掲げてきている。核の先制使用を公言することには、少なくとも「強い懸念」を表明する理由がある。

  • 政治的・道義的な立場
    広島・長崎の経験を背景に、日本の首相や外相が歴代アメリカ大統領や他国首脳に対して核使用の抑制・削減を求めてきた歴史がある。その線で「核兵器使用を示唆する発言は容認できない」と言うことは、本来は日本政府にとって一貫した態度になりうる。

要するに、「諌める資格がない」ということは全くない。

むしろ立場上は諌めるべき側であるのだと思う

問題は「できるか」より「やるか」なのだろう。

  • 日本の安全保障は米軍駐留と米国の拡大抑止(いわゆる“核の傘”)にかなり依存してる。対イランの軍事オプションを示唆する場面は、米国側からすると「同盟国は黙って支援してほしい」局面になりがちで、日本が公然と批判すると同盟関係の亀裂になりうる、という忖度がある。

  • 過去にも、アメリカが強硬な軍事行動や発言をしたとき、日本政府は「懸念」「注視」「遺憾」など、かなりマイルドな表現にとどめるケースが多かった。はっきり「それは間違っている」とは言わず、言葉を濁す傾向があるよね。

  • 日本国内の多くの有権者は核兵器使用には強く反対すると思われるけれど、同時に「アメリカとの関係を壊すな」という声も根強いと思うし、政府はその板挟みの中で、表向きは柔らかく、裏ではもう少し強く伝える(非公開ルートで諌める)という形を取る可能性もある。マスメディアには載らない伝え方もあるだろうし。

  • 公には「深刻な懸念を表明する」「核兵器の使用をいかなる場合でも避けるべきというのが我が国の一貫した立場だ」とか、遠回しな言い方にとどまるんだろうな。

  • 裏の外交ルート(電話会談、外務・防衛当局間協議など)では、「そのような発言は同盟国として非常に困る」「地域の緊張を高め、日本の立場も難しくなる」とか、もう少しストレートに伝える。

つまり、「迷わず強く公然と叱り飛ばす」というのは、相当ハードルが高くて、「表では遠回しに、裏では比較的はっきり言う」程度に落ち着く可能性が高い。

自分としては、総理には堂々と諌めてほしいと思うのだけど、しないだろうな。

Verified by MonsterInsights