最近増えてきたお客様の注文は「LINEで手書きのメモを送りつける」というものである。
たとえば、上の画像はあるお客様からの注文でこれは
現場名「ハイム一の宮 7号室」
- 両ねじ給水管 13X420 2本
- 逆止ボール弁 20X16 可ポリ用 1個
- エスロカチット継手 ユニオンソケット 3/4x16 1個
- エスロカチット継手 エルボ 16 2個
- HT耐熱継手 エルボ 50 1個
- 白粘着テープ 50ミリ幅 1巻
- 白粘着テープ 19ミリ幅 1巻
- EC-42用カッター替刃 1枚
という明細になる。
これは非常にめんどくさいです。今、こうしてテキスト起こしするだけでもひと手間ですよ。
お客様の立場で考えてみれば、スマホのフリックできちんと改行しながらテキストを全部入力して送信するなんて、とてもじゃないけどやっとれないと思います。
ですから、こうです。
こんな感じでメモを送るのです。
で「LINEで注文しておいたから納品しておいて」みたいな電話が来たりするわけです。
ちまちまテキストにしてメールを送信するとか、
注文サイトにアクセスして品物を選択して個数を入力する、
注文アプリを立ち上げて、商品を一つ一つ入力する、
そういうめんどくさいとこは、まずしないわけですよ、お客様は。
値段が半額になるとか、相当のインパクトがないとお客さんにとってはメリットが全くないわけですよ。
それ以前に、ほとんどのお客様は
メモを送信することすらめんどくさいというか、書き出すことすらめんどくさいので、工事現場から内容を口頭で注文するわけです。
書き出したのはFAXで送ったりすることもたまにあります。
でも、それもめんどくさいのでほぼほぼ電話で注文です。
音声認識は最近は非常に性能もあがっているのですが、
「ひょっとこ」とか「ストレート」とか言われたときにそれが何を指し示しているのか、まだまだITは実装できません。
以前楽天のチャットボットによる問い合わせをしてみたんですけど、弊社の注文をさばくのは当分は無理そうだなぁと思いました。
そもそも「給 420」が「両ねじ給水管 13mmx420mm」という商品を指し示すなんてわかんないですよ。
OCRでメモをテキスト化して出荷伝票に取り込むというようなことも、書式であるとか記入欄を厳密にするなどしないとムリなわけですけれども、お客様は「そんなんメンドイ」わけですよ。
現場によって必要な材料の種類も個数も違うので定型化することが難しい、というかできないのが、建築リフォームの末端の現実です。
地図情報であるとか共有するといい部分はあるのですけれども、こと受発注についてはこれ以上はデジタル化するのはむりな気がします。
こうなってくると「注文する必要がない」という斜め上のレベルから対応することを考えるといいのかもしれませんが、思い浮かびません。それがどういう状況なのか。
各家庭にお風呂もトイレも台所もない、洗面所ももちろんない、そういう生活が当たり前になれば住宅設備機器用の配管資材なんて必要なくなるとは思いますが、住宅からお風呂やトイレがなくなってしまうとは考えられないです。
ということは注文はあるということ、お客様にとって、最も楽チンでお気軽で手間がかからない注文方法としては「現場から思いつくままに電話で行う」に勝てる手段はいまのところないと思っています。
ちなみに弊社のお客様は低層住宅(平屋・2階建て、3階建てアパート)の水道設備工務店様が9割以上であり、高層マンションとか、大口径本管工事(300以上)の施工現場はほぼ取り扱っていません。
相当賢いAIが誕生すればチャットボットで注文をさばくということもありえるとは思いますが、まだ先だと思います。
どのくらいの賢いAIになればいいのかというと、認識ミスが500回に1回くらいでまぁ及第点になるかどうかではないか?
だと考えています。