「ホウレンソウが大事」というようなセリフはよく聞きますね。
報告、連絡、相談のそれぞれの一文字をお並べて報連相ということですよ。
で、報告と連絡の違いについて掘り下げて考えるのです。
まずは言葉の意味を調べたり、使い方を比較したりすることでよく考えようと思います。
まず「報告」
英語だとReport カタカナだとレポート
「中間報告」という言葉があります。
「報告船」という言葉はあんまり聞きませんな。
次に「連絡」
英語だと Contact カタカナだとコンタクト
「中間連絡」という言葉はあまり聞きませんな。
「連絡船」という言葉はあります。
チームで目的地に向かっているとしましょう。
その目的地がどこなのか、最終的な目的はなんなのか、例えば登山でもいいです。富士山とかエベレストとか、山頂まで行くのか、行けばいいだけではなく無事に下山しないといけないとか、チームとして登山する場合、全員が登頂するわけではなく、一部のメンバーは山麓で待機したりなにか情報を登頂チームに伝えたりするわけです。
で、まぁチームメンバー間でいろいろセリフが行き交うわけですよ。
「登頂チームからの連絡が途絶えた」
「登頂チームからの報告待ちです」
「第2キャンプは中間報告をしてください」
「第1キャンプからの定時連絡です」
「第1キャンプからの報告はまだか?」
「搬送ヘリからの連絡はまだか?」
それぞれ「連絡」「報告」で微妙にニュアンスが違ってくると思います。
例えば
「リーダー、山田(仮名)からの連絡がありません」
「リーダー、山田(仮名)からの報告がありません」
だとそれぞれのシチュエーションが違ってきますよ。
「報告がない状態」が何回か続くと「連絡がない状態」に変わったりもします。
そのあたりにも「報告」と「相談」の違いがありそうです。
想定している目的地やゴールが違っていると「報告」しているつもりが「連絡」になっていたり、「連絡」を「報告」として受け止める場面もありそうです。
三日後に登頂アタックをしようと考えているチームリーダーがメンバーに向かって
「当日の天気は崩れる予報が出ています」というのと
サポートスタッフが登頂チームに向かって
「当日の天気は崩れる予報が出ています」というのとでは
どっちかが連絡でどちらかが報告なのでしょうか?
どっちも連絡なのでしょうか?
どっちも報告なのでしょうか?
「報告」と「連絡」の定義がはっきりとしていれば、どっちがどっちなのか違いがわかるかもしれません。
またこのチームの登頂アタックのチャンスが、三日後しかないのか、それとも、その日がダメでもあと10日くらいチャンスがあるのかによって、「報告」か「連絡」かの線引が変わってきたりもします。
仕事をしている上で伝える内容・情報が同じであってもそれは報告なのか連絡なのかは変わって来ます。
「明日の降水確率は70%です」という情報は、発信者と受信者にとって「報告」なのか「連絡」なのかは、その関係性や道のりのどこにお互いがいるのか、目的や目標が共有できているのかによって、変わってきます。
そういう環境や状況のベクトルが同じでないと、相手にうまく伝わんないのだと思います。
発信する側が「報告」しているのなら、受け手も「報告」だと思っていなければならないし
発信する側が「連絡」しているのなら、受けても「連絡」だと思っていなければならないのではないでしょうか?
「報告」をしているのに、相手が「連絡」だと受け止めている
「連絡」をしているのに、相手が「報告」だと受け止めている
そういう状態だと誤解が生じやすくなるのではないでしょうか?
自分が「連絡していること」が相手に「連絡してくれている」と受け止められているでしょうか?
自分が「報告していること」が相手に「報告してくれている」と受け止められているでしょうか?
「上司が理解してくれない」「部下が誤解ばかりする」
そういう問題が起きたときに「報連相」を十分に取りましょう、みたいなアドバイスを受けることが多かったり、自分でも「報連相が大事だ!」なんて考えたりするのですが、報告が連絡になっていたり、逆に連絡が報告になっていたりすると、ますます問題がややこしくなったりするので気をつけたいと思います。