これは個人的な感想なんだけれども、
アマゾンで買えるものだったら、もうほかで探すのがめんどくさくない限りはアマゾンで買うようになってしまっている。
ほかのサイトを利用するのはアマゾンで買えない商品のときだけなのだ。
エグザイルの公式ファングッズとか、そういうものは、公式サイトでしか売っていないのでそこでしか買わない。
ある程度ブランディングされているものであればアマゾンなんて必要ないのだが、決済機能とかお手軽感とか、同業他社製品の有無によって、アマゾンのプラットフォームに乗っかるほうがビジネスとしては自社にとってもお客さんにとっても正解だよね。
ということはよくある。
つまり手間暇と価格を天秤にかけるのだ。
選択するのはお客様であることに変わりはない。
そう、最終的にはエンドユーザーであるお客様、つまり自分たちが選ぶことにはなるのだ
実際、TOTOのウォシュレットや水栓金具なんかの住設機器なんてアマゾンで買ったほうが金子商会の仕入れ値よりも安い場合もあったりするのだ。すごいよね、それでいて納期は翌日出荷とかだから、でも返品は基本的には受け付けてくれませんけれども。
だから金子商会は衛生器具の取り扱いは数年前にそういうことを見越して扱いを減らしてきたのである。
話がなんかそれた。
で、いまだに建築業界はファックスによる注文が多いのだけれども、それは家のような建築の場合、その発注元が多岐にわたっているからなのではないかと思うのだ。
瓦は商社Aだったりもするし、そもそも元受けがあって下請けがあって、孫請けがあって、同じ資材であっても仕入れ先が違ったりすることだってある。
もちろん元受け仕入れの一括発注、元受け全支給みたいな住宅工務店もあったりするのだが、いかんせん現場での立場に立った注文形態ではないので、使い勝手が悪く無駄も多かったりする。
やはり現場の注文は現場に近しいものがしたほうがいいのだ。
そんなおり、2019年の暮にアマゾンが量子コンピューターのサービス開始の予告をし先日運用を開始しました。その名もアマゾンブラケットですよ。
まぁようするにものすごく低価格で量子コンピューターを利用することができるのでAIシステムの開発にビッグバンが起こる(もしれない)ということです。
夢の自動注文処理システムが可能になるかもしんない。
メールでの注文は単品の場合は向いているのだけれど、20点30点と多数の複合的な資材や単位が違う商品群(個、本、袋、キログラム、リットルなど)一括で注文するときに誤解が生じて非常にわかりにくい。
「コンクリート20手配して」と言われたときに、それが20キロなのか20平米なのか20立米なのか20トンなのか判断がつかないのである。
現場は杓子定規にきっちりと注文することができないです。自分のことしか考えていないし、それぞれの職人さんは自分のやり方が普通だとおもっていますからね。
統一化できればメリットがあるのかもしれないけれど、それはあくまで注文を受ける側にとってであって、注文するお客様にはメリットらしいメリットはほぼない。
注文する人によって呼び方や単位が違ってくるのはよくあるけど、それは言ってもなおらないのだ。
水道屋さん止水栓のことをアングルと呼んだりするのは、地域によって違ってくるし人によっても変わってくる。
「ストレートのアングルちょうだい」・・・・「?」
だいたいストレートのアングルというものはないのです。
「ストレートの止水栓(床給水)」と「アングルの止水栓(壁給水)」があるだけなのだ。自分たちのような末端の卸売り会社は、そういうお客様一人一人の注文の癖のようなものを覚えて対応する。
けれどここにきてAIがお客様ごとの注文の癖を読み取って、「アングルちょうだい」と言われたときに、お客様によってストレート止水栓を渡すかアングル止水栓を渡すか正しく判断して発注処理ができるようになるのかもしれない時代がきたのですよ。
そこまで便利になってしまうと、なんでもかんでもそこに注文してしまうようになってしまうかもしれません。
それこそ、工具やドアノブ、おにぎりや生鮮食品までなんでも管でもアマゾンで買えてしまう。鹿児島の大型スーパーA-Zのようにないものはない、みたいな店舗が登場した時に、周りの小売店は駆逐されてしまうわけです。
そこで考えるのです。
今後アマゾンが生命保険のような年金制度をサブスクリプションで始めたり、フェイスブックがネット上に作り出すバーチャルな福祉国家の仕組みが老後の面倒を見てくれたりするようになったとき、従来のお役所仕事や国家の在り方というのは変わらざるを得なくなるのかもしれません。
「アマゾンプライム会員になって年金を積み立てればあなたが70歳になったときに8割引きの価格ですべての商品を購入することができますよ。そのうえ毎月3万円分のポイントがもらえます」
とか
「オプションの医療保険に入れば、24時間アップルウォッチがあなたの健康を管理、運動量や健康状態によって掛け金が安くなります」
みたいなサービスを始めたときに、サブスク料金と税金の境目がどこになるのか、そうなってしまうともう自分には区別がつかないわけですよ。
アドビ税とかモリサワ税とかいう言葉もすでに存在しているように、感覚としてはサブスク料金というのは、もはや新しい税金であり、そんでもって彼らはすでにお役所であり自治体であり国家であり、もしかしたら新しい帝国なわけです。
便利だからと言って一社に依存してしまうのはあまり賢いとは言えませんし商売としてはあまりよくないです。
そうなったときに建築業界や住宅産業だけでなく人々の暮らしや考え方がどんなふうに変わっていくのかは、誰にも予想できるものではありませんが、弊社としては、「すばやい」「たよれる」「やくだつ」をモットーに努力精進していくのでこれからもよろしくお願いいたします。