「運び屋」

クリント・イーストウッドの「運び屋」を見た。
90歳の麻薬の運び屋の実話を元にした映画で2018年の作品。

実際は家族との絆を取り戻したくても、麻薬の運び屋をしてしまうと絆どころの騒ぎではなくなってしまうのではないかと思ったりもしたけれど、なんというか麻薬というのはそんなに儲かるものなんだろうか?と思ったりする。
すごく贅沢そうな暮らしをしている麻薬売買のボスみたいな人の家とか見るとお金持ちそうではあるのだけれど、そのぶん経費も掛かりそうだし、部下に裏切られて殺されたりしているので、精神的にはキツイのではないだろうか、そういう生き方は、と思った。

信用を積み重ねていると信用を得やすい。

映画の中でイーストウッドが演じる「アール」という老人は、無事故無違反の白人で犯罪歴もなく、それなりの商売をしてきて、いろいろな団体の役員のようなものも務めてきた真面目な男だ。
で、麻薬組織はそういう男だからこそ警察の目を欺くことができると考え、実際に多量の麻薬の密輸を成功させる。

途中、何度か警察と交わるのだが、彼は全く疑われないのだ。(もちろん演出なのでオーバーな部分はあるのかもしれないけれど)

この映画の時、イーストウッドは88歳。うーむ元気な爺さんである。
流石にこの歳になるとアクションシーンはほぼない、殴り返したりケリを入れたりとかそういうシーンはないし、けっこうよぼよぼではあるが、おねーちゃん二人相手にキャッキャウフフしたりするシーンが二度もあるので、なんというか下半身は元気そうな設定である。

最後に奥さんや娘さんは許してくれるっぽいシーンで終わるのだけれども、なんというか実際はこういう爺さんは救われないのだろうなとも想う。
映画としてはいい映画ですよ、なんというか、これを見た家庭を顧みないタイプの男性は安心するかもしれない。
でも、この映画みたいに許されることはまずないと想う。

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