映画「TAU」をネトフリで見た。
投資家に追い込まれたAI開発者アレックスが、人口知能プログラム「TAU」を完成させるために人間の脳にチップを埋め込みそこから直接アルゴリズムみたいなものを抜き出すことにする。で、チップを埋め込まれて吸い出された人は死んでしまうけどまぁしょうがないよねっていうことだ。
それって人道的に倫理的にどうなんだよ、犯罪じゃないの?ということなんだけれでも、アレックスは追い込まれているわけですよ。
「期限までに何らかの成果を出さなければ君は一文無しだ。何もかもなくしてしまうことになるんだよ」
ってなことを投資家らしき人から指摘されるわけです。
そこでアレックスは考えた。
行方不明になっても誰も気にしない身寄りのない人間を利用することでリスクが減らせるはずだと。
でアレックスに狙われて拉致られたのが娼婦をしながら客のお金を盗んだりしている底辺人生を送っているジュリア。
ジュリアはAIのTAUとコミュニケーションをとりながら、なんとか脱出しようとするわけだよ。
「この状況を打破するためにTAUを説得するしかない」
さて、どうやって説得する、アレックスをどうする?
人間とAIをはわかりあえるのか?
みたいな感じでストーリーは進んでいくわけです。
うむ、けっこう面白そうな映画ではあるよな、全体のスジとしては面白そうだし、原作の小説があるのであればぜひ読んでみたいなと思った。
多分、追い込まれたアレックスの葛藤とか、ジュリアとアレックスの会話の駆け引きとか、TAUの恋心とかジュリアの母性本能とか友情みたいなことが織り込まれたいたりして面白いのではなかろうかと思う。
いかんせん予算の問題なのか尺も短く、アレックスがどんな人間なのか掘り下げられていないので物足りない部分もある。というかそのあたりの描写がもっとあったら面白かったんじゃないかなと思う。
「敵の手下が自分の味方になる」という設定はけっこうありがちなんだけれども、アレックスがTAUにやってるお仕置き?とかなんだろう、言うことを聞かないプログラムに痛みを与えるとか、
天才プログラマーだったら、そんなロジカルに破綻した設計はしないだろう、とか違うツッコミを入れてしまうのですよ。
AIのアルゴリズムとかディープラーニングとか、そういうことを専門にやっている人から見るとツッコミどころ満載なんだろうなと思ったり。
たぶんもともとは連続ドラマの脚本だったのかもしれない。
全8話くらいだと、けっこうバランスよく楽しめたのではないだろうか。
第一話の後半で誘拐されて、
話の中盤までは、なんで誘拐されたのかわかんない状況で、牢屋から逃げ出すためにどうするか、
アレックスとのからみ、そしてTAUを説得するためにどうする?というような合計8時間ぐらいのドラマだったらもう一回見たい。